令和2年から施行された配偶者居住権とはどんな権利?
残された配偶者の居住と生活を保護するための権利です。
夫婦の一方が亡くなった場合に、残された配偶者が、亡くなった人が所有していた建物に、亡くなるまでまたは一定の期間、無償で居住することができる権利です。当たり前じゃないか!と聞こえてきそうですが下記の事例ではいかがですか?
相続人が妻及び子で遺産が自宅(2000万円)及び預貯金(3000万円)だった場合
<施行前>
※配偶者の居住は確保できても生活費が足らなくなってしまいます

<令和2年 施行後(現行制度)>
※配偶者は居住と生活費の両方を確保できます

いかがでしょうか。配偶者の生活費も以前の民法とはちがいますね!
『配偶者居住権』の権利の成立は下記の要件をすべて満たしていなければなりません
1.残された配偶者が亡くなった人の法律上の配偶者であること
※内縁関係ではないこと
2.配偶者が亡くなった人が所有していた建物に亡くなったときに居住していたこと
※別居していないこと
3.下記のいずれかで配偶者居住権を取得 したこと
①相続人間での話合いによる遺産分割協議
②遺言書による遺贈や死因贈与契約
③家庭裁判所の審判(相続人の間で①遺産分割の話合いが整わない場合)
配偶者居住権 は登記しないといけないの?
配偶者居住権は,前記の成立要件を満たしていれば,権利として発生していますが,配偶者居住権を第三者に対抗するためには登記が必要であり,居住建物の所有者は配偶者に対して配偶者居住権の登記を備えさせる義務を負っています。
配偶者居住権の設定登記は配偶者(権利者)と居住建物の所有者(義務者)との共同申請となります。
配偶者居住権の設定登記ができるのは建物のみで,その敷地である土地には登記できません。
亡くなった人が建物を配偶者以外と共有していた場合は,配偶者居住権の対象となりません。
配偶者短期居住権 との違いは何ですか?
配偶者短期居住権とは,残された配偶者が,亡くなった人の所有する建物に居住していた場合,遺産分割協議がまとまるまでか,協議が早くまとまった場合でも被相続人が亡くなってから6か月間は無償で建物に住み続けることができる権利のことです。
遺言などで配偶者以外の第三者が建物の所有権を相続した場合,第三者はいつでも配偶者短期居住権
を消滅させるよう申し入れすることができますが,その場合であっても,残された配偶者は申し入れを受けた日から6か月間は無償で建物に住み続けることができます。
配偶者短期居住権は登記することはできません。

