遺産分割時の不動産の評価額で注意すべき点があるのを知っていますか?

遺言書などがない場合は相続人で遺産分割協議を行うこととなります。
不動産の評価方法には種類がありますが、どの評価方法を選択するのかは遺産分割協議をする上で大切です。複数の相続人の間で間違った評価方法を選択すると不公平がうまれるので、相続人全員が納得できる方法を選ぶことが重要です
不動産の評価方法の代表的なものとして下記にまとめました。
このことを踏まえて、不動産の分割の方法として代表的なものには下記があり注意すべきポイントを解説します。

評価方法特徴利点欠点
固定資産税評価額市区町村が固定資産税を算出するために用いる評価額簡易に取得可能で、相続税(家屋)の計算基準実際の市場価格と乖離している
路線価方式国税庁が公表する路線価を基に、不動産の評価額を算出相続税の申告
に利用され、信頼性が高い
実際の市場価格よりも低く評価
不動産鑑定士評価動産鑑定士が市場価格を基に専門的に評価市場価値に近い正確な評価評価に費用
実勢価格(市場価格)実際の取引事例や市場動向を基に評価市場に即した評価が可能適切な事例や情報を収集する手間
公示価格国土交通省が公表する標準地の価格を基に評価公的なデータであるため信頼性が高い標準地と対象地の状況が異なる場合には調整が必要

《不動産の分割方法と評価選択》

① 相続人全員の共有にする
不動産を相続人全員で管理する方法です。将来に向けてトラブルが発生しやすいのであまり推奨はしません。ここでの評価方法で問題になることはありません。

② 換価分割
不動産を実際に売却しその売却代金を相続人で分割する方法です。
ここで不動産の評価方法が問題になることはありません。

③ 現物分割
相続人で不動産の分筆又は複数の不動産をそのまま分ける方法です。不動産の評価方法で問題になるケースは希ですが、現預金のみの相続人との調整時には評価方法の検討が必要です。

④ 代償分割
1人(1部)の相続人がその不動産を相続する代わりに、他の相続人に金銭で補償するといったものです。
不動産の評価方法が最も重要となります

例えば、長男が不動産をすべて取得して、兄弟姉妹の相続分については、長男が現金等を渡すという方法です。
不動産の評価方法ですれ違うと問題を引き起こしがちとなります。

このように不動産の評価方法が重要なケースは上記の③現物分割④代償分割のケースで、適切な評価が求められるのです。

実は遺言書における遺留分の価格にも配慮しなければなりません。

遺言書作成の際にも不動産の価値をいくらと定義するかによって、遺留分が大きく左右されるのです。
特に不動産が含まれる相続税対策を施した遺言書について、遺留分の金額設定が万全でないケースがあります

相続税の評価は「路線価」を基礎に評価するのですが実際の市価よりも低い傾向があります。
遺留分の計算評価は実勢価格の評価でしておかないと思わぬ落とし穴となります。また、実勢価格はその時々において上昇下降があるので遺言書の見直しが必要な場合も想定しておかなくてはなりません。

相続不動産価格と相続現預金等のバランス対策においても遺言書の見直しをしておいた方が良いケースもあります。

相続予定不動産の価格が近年上昇気味になっています。現時点で現金化できる相続預貯金等の財産とのバランスで遺言書をお書きになっていても内容によっては見直しが必要な場合があります。不動産を末永く相続したいのに相続税を納める現金が不足し不動産を売却しなければならないケースもあります。最低でも10年~20年先のことも考慮にいれて遺言書も変化しなければならないかもしれません。

特に不動産をお持ちの方は特に不動産の評価と現預金のバランスを定期的に確認されることを強くお勧めします。現時点でバランスが壊れている方やそのバランスが心配な方はよく理解している専門家にご相談することも大切だと思います。